謹 賀 新 年

終戦直後(1945.11.1)旧電気試験所神代分室(電子管部)に勤務以来、幾つかの職場を経ながら、平成10年3月に所謂「定年」を迎えました。

 この年(平成10年)の初夏から平成13年初夏までの丸3年の間、思いもかけず過去の職場(主として電気試験所とそれに続く電々公社電気通信研究所)を回顧する記録を纏める実務を(仲間と共に)担うこととなりました。

この回顧録がどうにか上梓されたことにより、1945年より始まった私の公的な仕事にも漸く終止符が打たれ、本当の定年を迎えることが出来たと実感致しております。

武田郁夫さん(武田計測先端知財団理事長)の全面的なご援助と、かつての職場の多くの仲間の寄稿と激励に改めて謝意を表する次第です。さらに推薦の辞を寄せて下さった江崎玲於奈博士、完成に向かって大きな励ましを頂いた小口文一さん(元電々公社総務理事・技師長など)、そして完成後に過分な書評を寄せて下さった川村肇先生など多くの方々に心から御礼申し上げます。出版社「工業調査会」社長・志村幸雄さんとの浅からぬご縁を思い、積極的なご協力に改めて感謝致します。

電子管から半導体デバイスに連続的に繋がる学問・技術の流れが、今日のIT 時代にまで活き続けていることを一つの太い柱として据えたつもりです(部分的には、寄稿者それぞれの自分史を反映した多様な体験も取り込まれております)。

ご参考までに上梓した書名を記しておきます

『日本のエレクトロニクスの源流―電気試験所神代分室の記録―』

工業調査会(東京都文京区本郷2-14-703-3817-4701)発行。上下巻1セット、総800頁。 編・著者:武田郁夫・今井哲二・高橋得雄

新しい年のご多幸を祈念申し上げます。
今井哲二