出身高校(旧制中学)の校長室に私の縁戚にも当たる米沢興譲館同窓会会長をお訪ねし、かねて考えていたことについて御相談をし、全面的な御賛同を得た。その時同席された同窓会幹部(前会長、現副会長)を交え、15:00頃デジカメで記念写真を撮り、同校を辞した。
翌朝、旅先の宿において、携帯電話が突然受信音を発し目を覚ました。送信者は、10年程前、前記高校の校長を勤めた親戚の者からであった。彼は東京の自宅に電話をし、持ってきた携帯電話の番号を聞き出し、かけてきたものである。内容はちょっと信じ難いものであった。前日にお会いした同窓会会長が16:00頃自宅に戻られ、その玄関先で倒れられ病院に運ばれたが、手当ての甲斐なく17:00頃亡くなられた、という。言葉もなく唖然とした。
パソコンに取り込んだデジカメ写真には、倒れられる1時間前の会長が何事もなかったかのように写っているではないか。
その日のうちに私は弔辞を書き、帰宅早々プリントしたデジカメ写真を添え、告別式に十分間に合うよう弔辞を送ることができた。
このようなスピーディな対応は、IT時代でなければ不可能なことであったと思う。それにしても人生一寸先は闇である。ここに弔辞の一部と写真を示す(向かって右より川野希同窓会会長、松野良寅前会長、今井哲二、
一人おいて左端、高野譲副会長)。

「弔辞」、 最後の部分の文章:お亡くなりになる当日の午後三時ごろ、 興譲館高校校長室において、 同窓会幹部の方々とお撮りした写真を添えて、ここに改めてあなたのご功績と御遺徳を称え、 尽きぬ哀悼のまことを捧げます。
            平成十五年五月二十七日、思いもかけぬ訃報に接して記す。

倒れられる1時間前に撮った写真を添えて
弔辞を送ったこと