山香 英三さんの50年前の貴重な研究
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酸化物陰極のX線解析による研究
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●  オキサイドカソードについてのパイオニァ的研究
 山香 英三さん(S.22 東大理卒)は最初、薮本忠一さんのグループに所属し、その後、「通研」においてオキサイドカソード(BaO陰極)の研究にも従事された。 現「応電分科会」の前身である「電子放射研究会」当時の講演予稿集をめくっていたら、昭和28年にこの研究会で発表された山香さんの貴重なパイオニア的研究があることを知った。
 それは、高真空の動作状態においてオキサイドカソードの結晶粒子の大きさをX線解析によって測定し、結晶粒子の大きさとエミッションとの関係を把握するというもので、当時としては画期的な仕事であった。 川村肇先生によって提唱されたオキサイドカソードをn型半導体として捉えた研究が日本でも漸く軌道に乗った時期であり、エミッションセンタ(ドナー)濃度が、活性化のための熱処理によってどのように変化するかを知ることは、高性能真空管作成上極めて重要な課題であった。 マイカ窓付きの供試管を作成して、この重要な課題について新たな知見を得ており、そのオリジナリティは高く評価されてよい。後日(昭和三十年代)私自身、真空中の動作状態におけるオキサイドカソードの中間層生成物質の同定をX線解析で行ったり、真空状態におけるオキサイドカソードの表面状態を電子顕微鏡によって観察したりした。その時点においてすら「空気に曝すことなしに」これらの測定を行い、実用状態でのカソード性能との関連を把握することは高く評価されたのである。
 なお山香さんは、松下東研で赤崎勇さんの先輩・同僚であり、人工衛星用赤外センサーの実用化にも大きな実績を残している。

● 山香夫人による日本料理のご接待
 山香さんは筑波大・同短大教授定年後、伊豆の別荘から最近新宿のマンションへ移住された。奥様は日本料理の先生である。6月初旬の夕刻、武田郁夫夫妻と共に心尽くしの日本料理の数々でお持て成しを受けた。すべてが心こもった手料理であり美味であった。新宿の夜景も綺麗であった。
















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左から武田夫人,
武田郁夫氏,
山香英三氏

左から今井哲二,
今井夫人,
山香夫人

手料理の数々