「通研:今井研卒研生の会」の名簿を作成している過程で昭和37年度に通研で「エサキダイオード」に関連して卒業研究を行った「塚本一義さん」の存在に改めて想いを致した。
我々のグループがエサキダイオード(E.D.)の研究に取り組んで比較的間もない時期であり、E.D.を通信回線に導入するためには、急務とされた、寿命を把握するための簡単な寿命試験が開始されて、未だ日も浅い頃であった。 より充実した内容の寿命特性や劣化機構の解明が行われる以前の、単調な寿命試験は塚本さんにとって、さぞ退屈なものであったと思う。
通研での卒研から約40年後の今日、彼はいま、香川大学工学部の教授をされている。 塚本さんの研究のユニークさは、とかく大学では軽視されてきた、「社会との接点を重視する」という研究・教育理念にある。これは、大手民間企業で、生産技術研究所やメカトロニクス研究所の所長を10年に亘って勤められた、その豊富で実践的な経歴に根ざすものと言えよう。

S.37年度卒 塚本 一義さん)

通研で卒研を行っていた頃の写真は残念ながら見出せなかった。
塚本さんの近影(2002年)
塚本・和田研究室
「活動報告書」2001年度より

ベンチャー企業創生に情熱を傾けるこの人