〔推薦状〕                           江崎 玲於奈

 二十世紀のエレクトロニクスは、フレミングの二極管、ド・フォレストの三極管の発明で幕が開き、そこに電子管時代を画するが、一九四七年、丁度私が大学を卒業した年、世紀の大発明、トランジスタが誕生し、半導体時代へと大きく舵がきられ、凄まじい発展を遂げることになる。

 これらの技術革新の中でアジアにおける立役者として「日本のエレクトロニクス」は大きな役割を演じてきたのであるが、今、その源流の記録が出版され、研究開発の歴史を繙くことができることは、温故知新ではないが、大きな意義を持つことは疑いない。(完)